母は兄を盲目的にかわいがった。兄は小さい頃から素直で可愛らしかったし、怒ってもすねても全てが愛らしかった。笑顔も抜群で面倒みもよかった鋁窗維修。

学校で兄を見ると純粋に嬉しかった。兄の周りが輝いているように思えた。

母は兄には特別目をかけて大切にした。兄とアルファーとメグは４歳違いだ。アルファーとメグは双子だ。アルファーのほうがちょっとだけ遅れて生まれた。

母はメグともアルファーとも合わなかった。それは育てていく中で、育てられていく中ではっきりしてきた。親子にも相性は確かに存在した鋁窗。

二人いっぺんに生まれて嬉しかったのよ。母は言った。

母が嘘をついているとは思えなかった。嬉しかったのは確かだろう。けれど兄があまりにパーフェクトに可愛く育てやすかった割に、メグたちは期待に沿わなかったようだった。

アルファーは素直だ。兄とは違った意味で素直だ。嬉しくないのに嬉しがったり、悲しくないのに悲しがったり、申し訳なくないのに申し訳ながったりすることができない。アルファーは心の状態を偽って、行動や態度、顔に出すことが苦手だった搬屋。